立体特異性(読み)りったいとくいせい(その他表記)stereospecificity

改訂新版 世界大百科事典 「立体特異性」の意味・わかりやすい解説

立体特異性 (りったいとくいせい)
stereospecificity

立体異性体をもつ反応物が立体異性体をもつ生成物を与える際,特定の立体異性体が特定の立体異性体を生じる現象を立体特異性,その種の過程を立体特異的過程という。この定義によると,反応物の別の立体異性体は生成物の別の立体異性体を与える。典型的な例はワルデン反転である。アルケンに対する臭素付加は立体特異的である。すなわち2-ブテンの幾何異性体への臭素の付加において,トランス体はメソ-2,3-ジブロモブタンを,シス体は(±)-2,3-ジブロモブタンをそれぞれ立体特異的に与える。

 
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 敬人 竹内

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android