半挿・𤭯・楾・匜(読み)はんぞう

精選版 日本国語大辞典 「半挿・𤭯・楾・匜」の意味・読み・例文・類語

はん‐ぞう ‥ザフ【半挿・𤭯・楾・匜】

〘名〙
① 湯・水を注ぐのに用いる器。柄のある片口水瓶で、注ぎ口を半ば器の内に挿しこんであるところからの名称。はぞう。はにぞう。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「しろがねのはんざう」
② 洗面道具の一つ。小さな盥で、口や手を洗ったり、渡し金をしてお歯黒をつける時に用いる。角盥(つのだらい)耳盥(みみだらい)。はんぞうだらい。
説経節・説経苅萱(1631)上「お上人はきこしめし、ちかごろしゅせうなりやわかさぶらひ、かみをそってまいらせんとて、はんさうにおゆをとり」

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