半物草(読み)はんものくさ

精選版 日本国語大辞典 「半物草」の意味・読み・例文・類語

はん‐ものくさ【半物草】

〘名〙 踵(かかと)部分のない短い草履。あしなか。はんもつそう。
源平盛衰記(14C前)三六「節巻の弓に猿皮靫鹿矢あまた指て、半物草(ハンモノクサ)をぞはきたりける」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の半物草の言及

【足半】より

…《蒙古襲来絵詞》には,足半を履く武士の姿が描かれており,新しい戦法で押しよせた蒙古軍との戦いに,すべりやすい合戦場で威力を発揮したものと思われる。当時は半物草(はんものぐさ)といった。室町時代の《今川大双紙》(応永年間刊)には〈足なが〉の文字が初見されるが,当時はもっぱら武士が軍陣や戦場で履いた。…

【草履】より

…わらなどで編んだ台に鼻緒をすげたはきもの。わらは弾力があって編みやすく,保温力もあり軽いので多く使われたが,山村部や畑作地帯ではわらが乏しかったので,ミョウガ,フジ(藤)づる,ハマスゲ,ガマ(蒲),竹皮,トウモロコシの皮,道芝,布切れなども使われ,沖縄などではアダン,ビロウ,ビンロウ(檳榔)樹の葉がもっぱら用いられた。中国古代ではわらや草でつくったはきものを〈草履〉と記しているが,形はくつであり,わらぐつ(草鞋)として日本に伝わった。…

※「半物草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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