旺文社世界史事典 三訂版 「南部10州」の解説
南部10州
なんぶじゅっしゅう
当初は独立運動の中心となり,北部諸州ともどもネーデルラント全州による同盟条約(ガン条約)を結んだ。しかし,いぜんとしてカトリック貴族の力が強い南部とカルヴァン派中心の北部との間には相いれないものがあり,さらに経済的な利害の不一致もあって,この同盟は意味を失うようになった。しかもスペイン側はこれにつけこみ,南部の権益保護を約してこれを懐柔し,南部は1579年にアラス同盟を結んで北部のユトレヒト同盟と分裂した。これにより,南部はオランダ独立後もスペイン領にとどまった。
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