南部(読み)なんぶ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

南部
なんぶ

青森県東部から岩手県にまたがる地方の俗称。鎌倉時代,甲斐の南部光行奥州征伐の功により,八戸糠部 (ぬかのぶ) 地方を賜わり,現在の青森県全域と岩手県一帯を統治。 16世紀末青森県西部は津軽氏に割譲された。初め本拠を三戸に構えたが,のちに盛岡に築城して移転。寛文9 (1669) 年のお家騒動で盛岡藩と支藩八戸藩に分裂した。明治1 (1868) 年弘前藩との境界近くの野辺地で両藩が激突。盛岡藩と弘前藩の歴史的抗争が影響し,現在も青森県の東部と西部には言語や生活習慣のうえでそれぞれ独自なものが残存している。同4年廃藩置県により,八戸藩と弘前藩領が合体して弘前県が成立,同年青森県と改称。盛岡藩領は岩手県となり現在にいたる。

南部
みなべ

和歌山県中西部,みなべ町南西部の旧町域。1897年町制。1954年岩代村を編入。2004年南部川村と合体してみなべ町となった。南部川河口にある中心集落は,熊野街道の宿場町として発展。1900年前後から南部川流域の丘陵地帯でウメの栽培が盛んになったため梅干などの加工地となり,全国的に知られるようになった。観梅客も多い。海岸の千里の浜は地引網漁場。アカウミガメの産卵地として知られ,吉野熊野国立公園に属する。

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デジタル大辞泉の解説

なん‐ぶ【南部】

ある地域の南の部分。「合衆国南部

なんぶ【南部】[地名]

陸奥(むつ)の豪族南部氏の旧領地で、現在の青森県東半分から岩手県中部にわたる地域の称。特に、盛岡をいう場合もある。

なんぶ【南部】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「南部」姓の人物
南部忠平(なんぶちゅうへい)
南部陽一郎(なんぶよういちろう)

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百科事典マイペディアの解説

南部【なんぶ】

近世,南部氏が領有した地域の称。ほぼ現在の岩手県中・北部および青森県東部にあたり,南部藩盛岡藩)20万石の所領を大南部,八戸(はちのへ)南部藩(八戸藩)2万石の所領を小南部といった。山がちで耕地に乏しいが,南部駒の産で知られた。
→関連項目南部氏

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大辞林 第三版の解説

なんぶ【南部】

南の方の部分。 ⇔ 北部 「本州-」

なんぶ【南部】

◇ 〔甲斐国南部郷(山梨県南部町)一帯に勢力を張った甲斐源氏の一族、南部氏が鎌倉末期以降移住して領地としたことから〕 青森県東部から岩手県北部に至る地域の通称。特に近世、南部藩の城下町だった盛岡をいう。
ゴマを用いた料理に付ける名。

なんぶ【南部】

姓氏の一。甲斐国巨摩郡南部郷から出て、中世陸奥国糠部郡に勢力を広げた奥州の豪族南部氏が知られる。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔青森県(岩手県)〕南部(なんぶ)


①青森県東半部から岩手県中部の和賀(わが)川付近にかけての呼称。近世の南部氏領をさす。岩手県側の盛岡(もりおか)藩領を大(おお)南部、青森県側の八戸(はちのへ)藩・七戸(しちのへ)藩領を小()南部ともいう。使用例としては、南部駒(こま)・南部鉄瓶・『南部牛追い唄』など「南部」を冠した特産物や民謡、地名が多い。②青森県東半部の地方名。八戸市・むつ市・十和田(とわだ)市と三戸(さんのへ)・上北(かみきた)・下北(しもきた)の3郡にあたり、同県西半部の津軽(つがる)地方と対照的な民俗・文化をもつ。

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精選版 日本国語大辞典の解説

なん‐ぶ【南部】

[1] 〘名〙
① 南方の部分。南の地方。
※奥羽永慶軍記(1698)一「爰に奥州南部、下野国に境を隔し人々は」 〔後漢書‐南匈奴伝〕
※人情本・春色江戸紫(1864‐68頃)三「夫れじゃア板〆の方がお召と南部(ナンブ)だらう」
※重右衛門の最後(1902)〈田山花袋〉三「鉄の五徳に南部の錆びた鉄瓶が二箇懸って」
※俳諧・類柑子(1707)中「わがこふる南部二歳や後の月〈其雫〉 一穂たしかに五百粒づつ〈其角〉」
※本朝文粋(1060頃)一三・為盲僧真救供養率都婆願文〈大江匡衡〉「断悪修善・離苦得楽。不南部。便覩西方
⑥ (芝居茶屋の通言で)水のこと。〔劇場新話(1804頃)〕
[2] 青森県東半部から岩手県中部にまたがる地域の通称。鎌倉時代以降南部氏の領地。また、江戸時代に南部藩の城下町であった盛岡(岩手県盛岡市)をいう場合もある。
※伊達日記(1600頃か)中「南部へ御人数被遣候間、早々政宗も可罷下由御意候に付」

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