精選版 日本国語大辞典 「南部」の意味・読み・例文・類語
なん‐ぶ【南部】
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青森県南東部,三戸(さんのへ)郡の町。2006年1月名川(ながわ)町,旧南部町と福地(ふくち)村が合体して成立した。人口1万9853(2010)。
南部町中部の旧町。三戸郡所属。人口8694(2005)。南部は北上高地北端の丘陵が占め,北部を馬淵(まべち)川が北東流し,河岸段丘上に主要集落がある。台地や丘陵地ではリンゴを主とした果樹栽培が盛んである。西部の名久井岳(615m)は県立自然公園に指定され,中腹の法光寺は曹洞宗の古寺で,高さ33mの三重塔で知られる。東北本線(現,青い森鉄道)が通じ,国道4号線から104号線が分岐する。
南部町西部の旧町。三戸郡所属。人口5834(2010)。馬淵川中流の沖積地上に集落,耕地が分布し,南東部は名久井岳(615m)の斜面,西部は奥羽山脈縁辺の丘陵からなる。リンゴ,ブドウなど果樹栽培が盛んで,ほかに〈阿房宮〉の名で知られる食用菊を特産する。町営卸売市場があり,青果物の流通拠点である。町の中央を東北本線(現,青い森鉄道)と国道4号線が通り,十和田湖方面への入口に当たる。南部氏の本三戸館(もとさんのへだて),平良ヶ崎館(へらがさきだて)などの館址があり,小向の三光寺境内には南部利康霊屋が,名久井岳中腹には十一面観音立像で知られる恵光院がある。
南部町北東部の旧村。三戸郡所属。人口7024(2005)。馬淵川中流域を占める。中世に南部氏によって馬産地として開発された。現在は馬淵川沖積地で米作,丘陵地でタバコ,リンゴの栽培が行われる。県内では積雪の最も少ない地域であるが,夏季にはやませ(偏東風)による冷害を受けやすい。馬淵川沿いを通る東北本線(現,青い森鉄道)に1961年苫米地(とまべち)駅が新設され,64年には八戸地区新産業都市地域に指定されて,八戸市の通勤住宅地として人口が増加している。福田地区南方の山間には福田鉱泉がある。
執筆者:佐藤 裕治
山梨県の南端,南巨摩(みなみこま)郡の町。2003年3月富沢(とみざわ)町と旧南部町が合体して成立した。人口9011(2010)。
南部町南部の旧町。南巨摩郡所属。人口4152(2000)。東縁を富士川が南流し,西から南へかけて静岡県と接する。町域の9割近くが山林で,杉,ヒノキの良材を産し,茶,たけのこ,シイタケ,ショウガの栽培も盛ん。近年,自動車や電機の部品工場が進出しているが,静岡県への通勤・通学者も多い。赤石山脈南端の山地から東流する福士川の上流には,東京大学地震研究所の観測所(現,富士川地殻変動観測所),町営ロッジ(現,南部町グリーンロッジ),民宿がある。東市組地区の最恩寺仏殿は重要文化財に指定されている。富士川に沿ってJR身延線,国道52号線が通じる。
南部町北部の旧町。南巨摩郡所属。人口6711(2000)。中央部を富士川が南流し,東は天守山地,西は身延山地。中世には甲斐源氏の一族南部氏の領地の中心であった。温暖多雨の地で,杉,ヒノキの良材を多産し,傾斜地では近年茶の栽培が盛んである。柳島地区にはプラスチック,自動車部品の工場が立地する。北東の天子ヶ岳に発する佐野川中流の柿元ダムには,ダム湖の天子湖および佐野川発電所(最大出力5800kW)がある。西の十枚山のふもとに船山温泉(含硫黄放射能泉,27℃),十枚荘温泉(放射能泉,22℃)が湧く。JR身延線が通じ,静岡県への通勤者が多い。
執筆者:萩原 毅
鳥取県西端,西伯(さいはく)郡の町。2004年10月会見(あいみ)町と西伯町とが合体して成立した。人口1万1536(2010)。
南部町北東部の旧町。西伯郡所属。1955年手間村と賀野村が合体,町制。人口4042(2000)。旧米子市に南接し,米子平野の一部を占める低地と西伯山地からなる。中心集落の手万はかつては出雲街道の宿場町であった。大国主神が兄神たちにあざむかれて焼石を抱いたという《古事記》にのる伝説で有名な手間山や山陰で最大の規模をもつ殿山古墳(前方後円墳)を含む三崎古墳群がある。農業を基幹産業とし,米作,タバコ,果樹栽培に肉牛飼育を取り入れた農業経営が行われる。米子市への通勤者も多い。
南部町中西部の旧町。西伯郡所属。人口8168(2000)。日野川支流の法勝寺(ほつしようじ)川上・中流域に位置する。中心集落の法勝寺は江戸時代には米子と山陽,上方を結ぶ街道の宿場町で,付近で生産される砂鉄の集散地としてにぎわった。農林業が主産業で,肉牛飼育,タバコの栽培が盛ん。明治末から雑器や茶器を産する法勝寺焼の窯がある。近年,米子市のベッドタウン化が進んでいる。賀祥の白山神社には鉄鋳の十一面観音立像,聖観音立像があり,重要文化財に指定されている。東長田には特別天然記念物のオオサンショウウオ生息地がある。
執筆者:上田 雅子
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