単原子層成長(読み)たんげんしそうせいちょう(その他表記)monolayer growth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「単原子層成長」の意味・わかりやすい解説

単原子層成長
たんげんしそうせいちょう
monolayer growth

原料ガスや分子線を用いて,1個の原子・分子ごとに1層ずつ積み上げて成長させる結晶成長技術。結晶における超微細構造 (1万分の1μm程度) の量子力学的効果を利用するためには,人工的に原子を積層させる人工超格子をつくる必要があり,この厳しい精度での結晶成長技術が要求される。たとえば,分子線エピタクシー法 (MBE法) では,検出器で分子線量を計測し,その情報をもとにるつぼ温度や分子線量をコンピュータ制御して単原子層ずつ積層する。また,最近では成長表面を高速反射電子線図折図形 RHEEDでモニタし,その情報をフィードバックし,成長制御する方法がとられている。

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