厭舞・振鉾・振舞（読み）えんぶ

精選版 日本国語大辞典

えんぶ【厭舞・振鉾・振舞】

(「えんぷ」とも。厭（まじない）の舞の意) 雅楽曲名。舞楽の初めに奏する短い儀礼曲。初めに左方、次いで右方の舞人がそれぞれ舞台に出て鉾(ほこ)を三度振り、さらに二人同時に三度鉾を振るもの。舞台を祓(はら)いきよめ、天神・地祇・先霊をまつるためのもの。えぶ。

※延喜式（927）一二「凡七月廿三日〈略〉五位已上立_二大旗_一。了共揖著_レ座。然後左奏_二厭儛_一」

[補注]「振鉾」と書いてヱンブと読むのは、仮名のシ（志）とヱ（恵）と形が似ているために読み違えたもの〔南留別志〕という説がある。

出典　精選版 日本国語大辞典