厳物・怒物(読み)いかもの

精選版 日本国語大辞典 「厳物・怒物」の意味・読み・例文・類語

いか‐もの【厳物・怒物】

〘名〙
① いかめしげに作られたもの。おおげさにこしらえあげたもの。
四河入海(17C前)七「或は鬼の面、或はいかものの面」
※御湯殿上日記‐永祿九年(1566)一二月四日「ひめ宮の御かた御ふかそきにて、〈略〉御ふく一かさね、御いかものまいる」
③ (怒物) 舞楽大曲の中で特にすぐれている曲の俗称。皇帝破陳楽、団乱旋(とらでん)の類。
※歌儛品目(1818‐22頃)五「怒物(イカモノ)。〈略〉按ずるに、是は尋常ならぬ大曲の中にても、いとすぐれたる曲をば、其時の俗語に、かく称したる者なるにや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報