取留(読み)とりとめる

精選版 日本国語大辞典 「取留」の意味・読み・例文・類語

とり‐と・める【取留】

〘他マ下一〙 とりと・む 〘他マ下二〙
① (動いていってしまおうとするものを)おさえとどめる。ひきとめる。とりとどむ。
古今(905‐914)雑上・八九七「とりとむる物にしあらねば年月をあはれあなうとすぐしつる哉〈よみ人しらず〉」
② (命を)失わずにすむ。
※雑俳・兎の目(1748)「取留めた医者お内儀の伊達呵(だてわらひ)
③ 確かにそれと定める。また、自動詞的に用いて、はっきりする。
※古文真宝笑雲抄(1525)一「隠居せんと思へども、それもとりとめて思立もせぬ」

とり‐とめ【取留】

〘名〙
① とりとめること。おさえとどめること。
② まとまり。しまり。とりとまり。
※カーライル博物館(1905)〈夏目漱石〉「窈然たる空の中に取り留のつかぬ鳶色の影が残る」

とり‐とまり【取留】

〘名〙 しっかりと定まること。まとまり。しまり。とりとめ。多く、否定の語を伴って用いる。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一「常に相継て絶ざるに由てその始め混沌(コントン)(〈注〉トリトマリなき)たるものにより」

とり‐とま・る【取留】

〘自ラ四〙 (「とり」は接頭語) しっかり定まる。まとまる。はっきりする。
人情本・英対暖語(1838)初「何ぞとりとまって、斯したとか何とかいふことでもありゃア仕めへし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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