取続(読み)とりつづける

精選版 日本国語大辞典 「取続」の意味・読み・例文・類語

とり‐つづ・ける【取続】

〘他カ下一〙 とりつづ・く 〘他カ下二〙
① (「とり」は接頭語) 次から次へと続ける。
源氏(1001‐14頃)藤袴「空(そら)消息を、つきづきしくとりつづけて、こまやかに聞え給ふ」
② 続けて取る。
※伊京集(室町)「圉岸而搦諸陣 キシヲタテトシテショヂンヲトリツヅク」
商売・家などを維持していく。
※歌舞伎・木間星箱根鹿笛(1880)序幕「今もいふ士族の商法、何をしても取続(トリツヅ)けず」

とり‐つづ・く【取続】

[1] 〘自カ四〙 (上代は「とりつつく」。「とり」は接頭語)
① 次から次へと続く。引き続く。
万葉(8C後)五・八〇四「世間(よのなか)の 術なきものは 年月は 流るる如し 等利都都伎(トリツツキ) 追ひ来るものは 百種(ももくさ)に 迫め寄り来たる」
② 商売・家などを維持していく。また、生計を立てて行く。
浮世草子日本永代蔵(1688)五「二度(ふたたび)昔の身袋(しんだい)に取続(とりツツ)くべき年の暮」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒とりつづける(取続)

とり‐つづき【取続】

〘名〙 絶えないで引き続くこと。生活を維持してゆくこと。
※滑稽本・針の供養(1774)四「『衣の奉加はないかいな』と、云ひあるかば、とりつづきの種ともなるべしと」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android