古今百馬鹿(読み)ココンヒャクバカ

デジタル大辞泉 「古今百馬鹿」の意味・読み・例文・類語

ここんひゃくばか【古今百馬鹿】

滑稽本。2巻3冊。式亭三馬作。文化11年(1814)刊。四人の間抜け者を描く。

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精選版 日本国語大辞典 「古今百馬鹿」の意味・読み・例文・類語

ここんひゃくばか【古今百馬鹿】

  1. 江戸時代の滑稽本。二巻三冊。式亭三馬作。歌川国直画。文化一一年(一八一四)刊。題名は、あらゆる馬鹿を挙げる意図を示すが、実際には四馬鹿を描くにとどまっている。「四十八癖」に続いて三馬の風刺的な傾向を示す。

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世界大百科事典(旧版)内の古今百馬鹿の言及

【式亭三馬】より

…また98年(寛政10)刊《辰巳婦言(たつみふげん)》を初作として洒落本数作を発表するが,1806年(文化3)に滑稽本の処女作《戯場粋言幕之外(げじようすいげんまくのそと)》《酩酊気質(なまえいかたぎ)》を発表,以後,資質にあった滑稽本の作者として活躍する。代表作《浮世風呂》《浮世床》のほか,江戸庶民の日常生活に取材して,人間の性癖・気質や心の表裏などを徹底した写生で会話を主として描き,皮肉な笑いを打ち出した《早替胸機関(はやがわりむねのからくり)》(1810),《四十八癖》(1812‐13),《人間万事虚誕計(にんげんばんじうそばつかり)》(1813),《古今百馬鹿》(1814)などがある。それらは十返舎一九のように特異な人物を主人公とした笑いではなく,俗人の日常の生活の中に人間の弱点を見いだし,それを精細に描くことで世相の批判に及び,読者の微苦笑を誘うものであった。…

※「古今百馬鹿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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