可杯・可盃（読み）べくさかずき

精選版 日本国語大辞典

べく‐さかずき ‥さかづき【可杯・可盃】

〘名〙 (「可(べく)」の字は、日用文、手紙文などで「可行候(ゆくべくそうろう)」のように必ず上にあって下にはおかないものであるところからいう) 酒を強いるための、底に小さな穴のある杯。その穴を指でふさいで酒を受け、飲みほすまでは下に置けない。また、置くと倒れるように底をとがらした杯もいう。べく。

※咄本・醒睡笑（1628）五「堺にて故薬師院といふ医者あり。客に対しべく盃を出せり」

出典　精選版 日本国語大辞典