改訂新版 世界大百科事典 「周文矩」の意味・わかりやすい解説
周文矩 (しゅうぶんく)
Zhōu Wén jǔ
中国,五代南唐の宮廷画家。句容(江蘇省)の人。生没年不詳。後主李煜(りいく)に仕えて翰林待詔となった。山水,人物,ことに仕女画(美人画)を最も得意とし,周昉(しゆうぼう)に学んでさらにその表現に繊麗さを加えた。また,中主李璟(りえい)のとき,山水画家の董源,花鳥画家の徐崇嗣らとともに《賞雪図巻》(1949,亡失)を合作し,五代における江南画壇の水準の高さを示した。伝称作品に《宮中図巻》(クリーブランド美術館),《唐宮春暁図巻》(ビラ・イ・タッティ),《琉璃堂人物図巻》(メトロポリタン美術館),《李後主観碁図巻》(フリーア美術館)などがある。
執筆者:小川 裕充
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