朝日日本歴史人物事典 「啼沢女命」の解説 啼沢女命 『古事記』および『日本書紀』の一書(別伝)にみえる女神。伊奘諾尊が妻を亡くして泣き悲しむ,その涙から生まれた神。『古事記』によると,この神は「香具山の近くに鎮座している」とあり,また『万葉集』の歌にも「啼沢の神社」と,その名が歌われている。これは現在の橿原市木之本町,香具山の北西麓にある畝尾都多本神社を指すと考えられており,同社を囲む森は「啼沢の杜」と呼ばれている。神名にある「沢」は,量の多いことをいう語だから「啼沢」で「おおいに泣くこと」を表している。なお万葉歌がこの神社で命乞いをすることを歌っているので,本居宣長は命乞いの神と考えた。<参考文献>西郷信綱『古事記注釈』2巻 (神田典城) 出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報 Sponserd by
デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「啼沢女命」の解説 啼沢女命 なきさわめのみこと 記・紀にみえる神。伊奘諾尊(いざなぎのみこと)が伊奘冉尊(いざなみのみこと)の死をなげきかなしんで流した涙から生まれたとされる。奈良県橿原市(かしはらし)畝尾都多本(うねおつたもと)神社の祭神。「古事記」では泣沢女神。 出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例 Sponserd by