こと

日本大百科全書(ニッポニカ)「こと」の解説

こと
こと / 琴

古くは弦楽器総称。「あづまごと・やまとごと」(和(わごん))、「きんのこと」(琴(きん))、「そうのこと」((そう))、「びはのこと」(琵琶(びわ))、「くだらごと」(箜篌(くご))、「しらぎごと」(新羅琴)などのように、まったくタイプの異なる弦楽器各種をすべて「こと」とよんだ。近世でも藤井高尚(たかなお)の『弾物(ひきもの)のさだめ』(1808以後刊)に「さみせんのこと」(三味線(しゃみせん))、「こきうのこと」(胡弓(こきゅう))、「ひとつをのこと」(一絃琴(いちげんきん))と使用している。しかし、江戸時代以来、箏の別名を「琴(こと)」といい、また現在の常用漢字に箏の字がないので、琴の字をあてて箏のに使用している。そのため、ことばのうえで琴と箏は紛らわしいが、楽器学的には異なる。両者の基本的相違は、箏は可動の柱(じ)(ブリッジ)を胴面に立てて調弦するのに対し、琴(きん)は柱を用いない点にある。近年、研究者の間では「箏」の字をあててコトと読むことが提唱されている。

[平山けい子]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「こと」の解説

こと

広義には弦楽器の総称。狭義には,東アジアの琴,箏類 (ロング・ツィター属。細長い胴面に水平に弦を張った楽器) をさし,最も狭い意味では,日本の俗箏 (生田流,山田流などで用いる箏) をさしていう。広義の「こと」は,琴・箏類のほかに琵琶 (リュート属) や箜篌 (くご。ハープ属) も含め,古くはこれらを区別するために「琴 (きん) のこと」「箏 (そう) のこと」「琵琶のこと」「百琴」 (箜篌) などと呼んだ。また日本では「箏」の代用として「琴」の字を用いるが,「琴」は元来中国の七弦琴をさすものであるから,楽器の区別上,「箏」と「琴」は区別すべきである。代表的な琴・箏類の楽器には,中国の琴,箏 (13弦,16弦) ,瑟 (しつ) ,朝鮮の玄琴,伽 倻 (かや) 琴,大箏,牙箏,日本の和琴 (わごん) ,楽箏,俗箏,一弦琴 (須磨琴) ,二弦琴 (八雲琴) ,大正琴,十七弦箏など,そのほか,同系の楽器にベトナムのダントラン (十六弦箏) ,ジャワのカチャッピ,タイやビルマ (現ミャンマー) の鰐琴などがある。

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デジタル大辞泉「こと」の解説

こと[終助]

[終助]形式名詞「こと」から》活用語の連体形に付く。ただし、形容動詞・助動詞「だ」には終止形にも付く。
感動を表す。「まあ、きれいに咲いたこと」「大変な人出こと
質問の意を表す。「お変わりありませんこと」「これでいいこと
同意を求めたり、勧誘したりする意を表す。「皆さんもそうお思いにならないこと」「そろそろいらっしゃいませんこと
(「ことよ」の形で)婉曲えんきょく断定を表す。「気を遣わなくてもいいことよ」「学生らしくないことよ」
命令意の意を表す。「明日までに用意すること」「大声を出さないこと
[補説]を止めて感動を表す用法が終助詞化してできたもの。5を除いては、主に女性の会話に用いられる。

こと[副]

[副]未然形に「ば」のついた仮定条件を表すを導き、どうせ(…なら)、同じ(…なら)、の意を表す。
「―けば沖ゆ放けなむ湊より付かふ時に放くべきものか」〈・一四〇二〉
[補説]助動詞「ごとし」は、この「こと」に形容詞を作る接尾語「し」のついた「ことし」が濁音化したもの。

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事典 日本の大学ブランド商品「こと」の解説

こと

キャラクター(大学)]
奈良大学(奈良県奈良市)の大学ブランド。
大学のオリジナルキャラクター。ピンクの鹿が、校章かたちをした琴を弾いているデザイン。奈良大学広報案内のページに拠れば、キャラクターグッズとして「ステッカー・メモ帳・タックメモ・ノート・携帯クリーナーなど」があるという。
(注)記載内容は事典編集当時(2010年2月)のものです。内容・価格等はその後に変更になった場合もあります。

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