コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

伊奘諾尊 いざなぎのみこと

2件 の用語解説(伊奘諾尊の意味・用語解説を検索)

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

伊奘諾尊 いざなぎのみこと

記・紀にみえる神。
配偶神の伊奘冉(いざなみの)尊とともに高天原(たかまがはら)からくだり,日本の国土と神々を生んだ。「古事記」には伊邪那岐命とあり,火の神を生んで絶命した伊邪那美命(伊奘冉尊)を追って黄泉(よみ)の国にいくが,禁忌をやぶったため伊邪那美命と争いとなる。わかれて地上にもどり,筑紫(つくし)の阿波岐原(あわきはら)で禊(みそぎ)をすると,目や鼻から天照大御神(天照大神)(あまてらすおおみかみ)らが生まれたという。

出典|講談社 この辞書の凡例を見る
(C)Kodansha 2015.
書籍版「講談社 日本人名大辞典」をベースに、項目の追加・修正を加えたデジタルコンテンツです。この内容は2015年9月に更新作業を行った時点での情報です。時間の経過に伴い内容が異なっている場合がございます。

朝日日本歴史人物事典の解説

伊奘諾尊

日本神話に登場する神。相手を「さあ」と誘うときに発するイザ,助詞「の」にあたるナ,男を意味するキが結合した名称とも,誘う意の動詞イザナフの語幹に男を意味するキが付いた名称とも解釈し得る。『古事記』では伊邪那岐命と書かれる。万物を生み出す伊奘冉(イザナミ)の夫。この神が登場する『日本書紀』の諸伝承はきわめて多様だが,『古事記』では次のように伝える。混沌とした漂う国を作り固めろという天の諸神の命令を受けて天の浮橋に降り立ったイザナキ・イザナミの夫婦神は,海水を矛でかき回したあとでその矛を引き上げた。すると,矛の先から滴り落ちた塩が固まって淤能碁呂島が出来たので,夫婦神はそこへ降りて交合した。最初に生まれた子は意に満たぬ子だったが,以後イザナミは順調に島々を生んでいった。しかし最後に火の神を生んで絶命し,死者の国である黄泉国へ旅立った。イザナキは怒って火の神を切り殺し,妻を連れ戻しにすぐに黄泉国へ赴いた。妻は一緒にもとの国へ戻りたいとの意志を表明し,しばらく待ってくれといったまま姿を消したあと,待ち切れなくなったイザナキが櫛の歯を欠き取ってこれに火をつけて辺りを見ると,妻の腐乱死体が横たわっていた。これを恐れて逃げ出すと,追いかけてきた妻は夫に次々と攻撃を加えた。なんとかかわして逃げ切り,妻と決定的夫婦喧嘩をしたあと,地上へ戻って穢れを祓ったときに,天照(アマテラス),月読,須佐之男の貴い子を生んだ。子らにそれぞれ統治すべき国を与えたが,須佐之男だけはいうことを聞かずに泣き続けた。そこで,これを追放したあと淡海(近江)の多賀に鎮座した,という。イザナミと共に万物を創成した神であること,また黄泉国で妻と喧嘩した際に,人間を1日に1000人ずつ殺してやると妻がいったのに対して,それならば自分は1日に1500の産室を建ててやると発言したこと,妻との別離ののちに太陽(天照)と月(月読)を生んだことなどから,地母としてのイザナミに対して,天父としての性格も濃厚に持っている。なお,『日本書紀』や『延喜式』神名帳によれば,この神は特に淡路と関係が密接なので,もともと淡路の漁民に信仰されていた神だったものが,皇室の崇める最高神アマテラスの親神として神話の中に取り込まれたものだと考えられている。<参考文献>松村武雄『日本神話の研究』2巻,岡田精司『古代王権の祭祀と神話』,大林太良『日本神話の起源』

(佐佐木隆)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

伊奘諾尊の関連キーワード日本神話エルフ久延毘古あまみきゅスコルパンフルートハティ伊奘冉尊思兼神豊斟渟尊

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone