囲い山(読み)カコイヤマ

デジタル大辞泉 「囲い山」の意味・読み・例文・類語

かこい‐やま〔かこひ‐〕【囲い山】

江戸時代、緊急の要に備えるため、有用な樹木伐採を禁止してある山林。囲い林。

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精選版 日本国語大辞典 「囲い山」の意味・読み・例文・類語

かこい‐やまかこひ‥【囲山】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、緊急の用に備えて、有用な樹木の伐採を禁止しておいた林。禁伐林。囲い林。
    1. [初出の実例]「一井出小路山 右は往古よりの御囲山にて、〈略〉村中大切に守護罷在候」(出典:加子母村書上(美濃)‐天保九年(1838))

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世界大百科事典(旧版)内の囲い山の言及

【御林】より

…場所や地域を限らない御林の一種には五木・七木などと称し,御林地籍外の有用樹を伐採禁止木に指定する藩が多く,一方においては窮迫財政の緩和手段として,御林の増設または周辺林の囲いこみにより,御林自体の拡大を図るようになるのが一般的な傾向であった。このような増設・増幅林を含めた御林の中には,囲い山・不入山などと称し,林内の下草(肥・飼料)や枯枝(燃料)を採ることも,木の実を拾うことも許さない山もあったが,これらを除いた大部分の御林は,〈御林下草銭,御林運上・冥加〉名目の軽租を利用者側に負担させて下草類の採収を容認した。そのようにして旧来の用益権の一部は認められたにしても,御林地積がしだいに増大することは,それだけ民用林が圧縮されることであったから,これまでその山で生活資材の家作木や薪炭材・肥飼草などを自由に採取してきた領民たちは,狭くなる一方の共用林野の用益慣行をめぐって激しい入会紛争をくり返すようになり,和解または裁決までに数年ないし数十年を要する争議も少なくなかった。…

※「囲い山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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