国分諸古記(読み)こくぶしよこき

日本歴史地名大系 「国分諸古記」の解説

国分諸古記
こくぶしよこき

三巻(上・中・下)

成立 一八世紀後期

原本 鹿児島市野村泰道家

写本 鹿児島大学附属図書館玉里文庫・鹿児島県立図書館

解説 国分郷の郷士年寄家の野村家に伝えられてきた同郷の名勝志的な古記録史料。慶長年間に島津義久直臣となった野村能綱から孫安綱に至る三代の間に書留められていた文書や記録類を中心に、同家子孫の手で編纂されたものとみられる。文書や記事の下限が宝暦五年であり、上巻の一記録の末尾に「寛政四年壬子正月十六日書之」の記事がみえることから一八世紀後半期の成立と推測される。戦国期から近世前期の国分郷の出来事をはじめ、当時の名家社寺伝来の文書・棟札類および慶長期の国分新城縄引帳や国分衆中人名書上、元禄期の寺社改帳や村里改帳、寛延期の寺社由緒調ほか各種の調査にかかわる古記録類も豊富に収め、優れた地誌ともなっている。

活字本国分郷土誌」資料編

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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