土佐打刃物(読み)とさうちはもの

事典 日本の地域ブランド・名産品 「土佐打刃物」の解説

土佐打刃物[金工]
とさうちはもの

四国地方、高知県の地域ブランド。
高知県産の包丁・鋸・鍬・鎌・鉈・鳶・おの・柄鎌。土佐には鎌倉時代後期に大和から刀鍛冶達が移住してきたとされ、長宗我部元親を領主とした戦国時代まで武具刀剣づくりで土佐の打刃物は栄えていた。江戸時代初期になると、財政の逼迫した土佐藩によって森林資源の確保及び新田開発の振興策が実行され、農業・林業用刃物の需要が拡大し、土佐打刃物の生産が拡大し品質も向上した。明治維新の廃刀令以後は鉈・斧・鋸・鎌などの用具の製作に技術を競い、昭和になると包丁の生産が急増した。1998(平成10)年5月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。2007(平成19)年1月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5021596号。地域団体商標の権利者は、高知県土佐刃物連合協同組合。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

世界大百科事典(旧版)内の土佐打刃物の言及

【高知[県]】より

…土佐市,伊野町を中心とする製紙業は,山間部のコウゾ,ミツマタを原料として,近世から昭和初頭まで藩や県の経済を支えた和紙業が発展し,大正期以降とくに第2次大戦後,機械漉(す)き製紙に転じた地場産業として知られる。このほか,浦戸湾岸の造船業,南国市から土佐山田町にかけての土佐打刃物(鎌,林業用なた,包丁など)も藩政期以来の伝統をもつ地場産業である。昭和10年代に労働力や電力にひかれて立地した紡績,電気化学,鉄鋼業や,戦後に農村とその労働力を背景に立地した農機具工業などの近代工業もあるが,一般的にその立地集積は進展していない。…

※「土佐打刃物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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