坂長郷(読み)さかながごう

日本歴史地名大系 「坂長郷」の解説

坂長郷
さかながごう

和名抄」高山寺本に「散加奈加」、東急本に「佐加奈加」の訓がある。現備前市三石みついしを中心とした地域に比定されている。「延喜式」兵部省に駅馬二〇疋を置く坂長駅の記載がある。同駅は播磨国の「野磨駅」から船坂ふなさか峠を越えて備前国に入った最初の駅で、当郷は同時に駅家郷でもあった。「平家物語」巻八(妹尾最期)で、木曾義仲に捕えられていた平家方の武将備中国住人妹尾兼康が、いつわって倉光三郎とともに備中に帰る途中、「備前国みつ石の宿」で倉光らを討果したとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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