事典 日本の地域ブランド・名産品 「堺刃物,堺打刃物」の解説
堺刃物,堺打刃物[金工]
さかいはもの,さかいうちはもの
大阪府堺市・大阪市及びその周辺地域に由来する製法により同地域において生産された包丁・鋏。堺打刃物は、16世紀後半の天正年間(1573年〜1592年)、ポルトガルから伝来したたばこの葉を刻む、たばこ包丁が堺でつくられるようになって始まったという。江戸時代には徳川幕府が専売を許可したため、堺の刃物の切れ味と名声が全国各地へと広がった。江戸時代の元禄年間(1688年〜1704年)には、堺で出刃包丁がつくられ始めた。伝統的な鍛造技術・技法を継承してつくられている堺打刃物は、多くの料理人のあいだで高い評価を受けている。堺刃物は、堺打刃物の技術・技法により、新素材と呼ばれているステンレス鋼・ハイス鋼・ダイス鋼などで制作したもの。錆びにくく切れ味が良い。1982(昭和57)年3月、堺打刃物として通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。2007(平成19)年10月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5081093号(堺刃物)・第5081094号(堺打刃物)。地域団体商標の権利者は、堺刃物商工業協同組合連合会。
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報