化学辞典 第2版 「塩化イリジウム」の解説
塩化イリジウム
エンカイリジウム
iridium chloride
【Ⅰ】塩化イリジウム(Ⅲ):IrCl3(298.58).三塩化イリジウムともいう.イリジウムと塩素を加熱して得られる.無水物は緑ないし褐色を示し,酸,アルカリに不溶.一水和物は深暗緑色の結晶.310 ℃ で無水物になる.水に難溶,1.5水和物は緑色の結晶で水に可溶.塩素化や重合反応の触媒に用いられる.[CAS 10025-83-9]【Ⅱ】塩化イリジウム(Ⅳ):IrCl4(334.03).四塩化イリジウムともいう.水和物は潮解性に富む暗褐色の固体.水に易溶.ヘキサクロロイリジウム(Ⅳ)酸塩の製造,重原子試薬としてタンパク質のX線構造解析,パッチテスト試薬,めっき,電極材料の製造などに用いられる.[CAS 10025-97-5]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報