境堰(読み)さかいぜき

日本歴史地名大系 「境堰」の解説

境堰
さかいぜき

黒石陣屋跡の南の崖下を流れる堰で、弘前藩と黒石領(のち黒石藩)の境界でもあったため、近世には境堰とよばれ、現在は宇和うわ堰ともよばれる。

堰の取入口は牡丹平ぼたんだいらで、末流の境松さかいまつまで八四町である(浅瀬石川郷土)。灌漑面積は天保三年(一八三二)の浅瀬石川堰反別水仕分け覚書(浅瀬石川郷土誌)に「田百二町六反歩」とある。封内事実秘苑(市立弘前図書館蔵)明暦二年(一六五六)二月二日条に「黒石境堰を片取堤を築」とあり、同年信英の黒石領分知の際に馬場尻ばばしりの境界堰とともに開かれたものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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