普及版 字通 「夊」の読み・字形・画数・意味
夊
3画
[字訓] ゆく
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 象形
止の倒文。〔説文〕五下に「行くこと遲くして、曳(ひ)くこと夊夊たるなり。人の兩脛に象る。(ふ)むるなり」とするが、字は両脛の形ではなく、止の倒文。向こうから来る、また上から降りてくる形。左右の夊を重ねると(こう)となり、降の意。〔玉〕に〔詩、衛風、有〕「り綏綏(すいすい)たり」の句を引いて「夊夊」に作る。「夊夊」は忍び足で近づくことをいう。
[訓義]
1. ゆく。
2. 夊夊は、ゆっくりゆく、忍び足でゆく。
[部首]
〔説文〕に・・憂・愛・夏・・・など十五字、〔玉〕になお異文数字を加える。〔説文〕にまた夂(ち)を部首とし、「後より至るなり。人の兩脛、後より之れを致す(致送する)るに象る」と後押しする形の字とし、・・などの字を属するが、夂と夊とを合わせてとなり、(降)の初文。ただこの両部の字は、人の立つ形、神像が坐し、足を垂れる形で、要するに止の倒文である。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報