多胡石(読み)たごいし

改訂新版 世界大百科事典 「多胡石」の意味・わかりやすい解説

多胡石 (たごいし)

群馬県高崎市の旧吉井町に産する砂岩の石材名。第三紀層に属し,淡褐色粗粒で木目のような模様がある。硬質で耐久性に富むが,研磨しても光沢は出ない。採石場は小規模で産額も少ないが,独特の縞模様和風建築にもよく調和し,捨てがたい味をもっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の多胡石の言及

【砂岩】より

…【徳岡 隆夫】
[石材]
 砂岩は,ヨーロッパやアメリカでは花コウ岩や大理石と並んで建築や装飾用石材として多用されているが,日本では,土木用材としてはともかく,見るべき建築用材は産しない。わずかに,群馬県多野郡吉井町の第三紀層から採石される多胡石という粗粒淡褐色の木目模様の石や,大阪府泉南郡阪南町付近の白亜紀層に産する緑灰色の和泉石などを数えるにすぎない。近年,インドのラージャスターン州東部の台地で採石される先カンブリア時代末から古生代初めにかけての砂質ケツ岩の,建築での使用が日本で目立つ。…

【吉井[町]】より

…農業が主で,全国有数の生産高を誇る生シイタケの生産,キュウリなどの施設園芸が盛んである。特産の多胡(たご)石を用いた石灯籠や建築用石材の生産は,農家の副業として重要である。中小工場を中心に機械金属工業も見られる。…

※「多胡石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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