改訂新版 世界大百科事典 「多重変換装置」の意味・わかりやすい解説
多重変換装置 (たじゅうへんかんそうち)
周波数分割多重通信において,多重度が大きい場合には群変調が用いられ,さらにいくつかの群をまとめて群変調を繰り返すことが行われる。この多重化の階層構成をFDMハイアラーキという。多重変換装置は,このハイアラーキに従って群変調を行う装置である。これらには12チャンネルの音声を基礎群に多重変換する通話路変換装置,五つの基礎群を多重変換する群変換装置,以下同様に,超群変換装置,主群変換装置,超主群変換装置,巨群変換装置がある。このような多重変換装置は有線に限らず,無線も含めたアナログ多重伝送方式に共通になっている。時分割多重通信の場合もアナログの場合と同様にディジタル通信のハイアラーキに従い,いくつかの多重段階がある。このハイアラーキに従い時分割多重化を行う装置も多重変換装置という。また,時分割多重信号と周波数分割多重信号を各通話路ごとの信号に戻さず,多重信号のまま相互変換を行う装置をトランスマルチプレクサーという。
→多重通信
執筆者:辻井 重男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報