多門照射(読み)たもんしょうしゃ(その他表記)multiportal irradiation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「多門照射」の意味・わかりやすい解説

多門照射
たもんしょうしゃ
multiportal irradiation

放射線治療において,1ヵ所の深部病巣に2方向以上から線束を集中させて照射する方法をいう。これによって,皮膚表面の被曝線量と皮膚障害を減少させることができる。4方向からの照射を十字火照射といい,食道癌などで用いられる。対向2門照射は照射野を向い合せるもので,超高圧γ線およびX線治療では最も多く用いられる。直交2門照射は,上顎癌など偏心性に存在する腫瘍に用いられ,均等な線量分布を得るために,鉛製の楔状フィルタが使用される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android