…いわゆる〈ゴッホの耳切り事件〉という悲劇的な結末をみたゴーギャンとの共同生活を別にすれば,アルル時代はゴッホにとって実り豊かなものであった。この時期の《ひまわり》《麦畑》《糸杉》などでは,ぎらぎらした量感ある色彩とうねるような筆触によって,原初的ともいうべき自然のエネルギーを画面に噴出させ,また《夜のカフェ》(1888)では,強烈なコントラストによって,カフェにたむろする人間存在の狂気すらあばきだした。ゴッホ自身狂気と無縁でなく,89年5月サン・レミの精神病院に収容された。…
※「夜のカフェ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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