天岩戸(読み)あめのいわと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天岩戸」の意味・わかりやすい解説

天岩戸
あめのいわと

イワトは岩の戸、転じて貴人の墓の戸をいう(『万葉集』418~419)。神話で、須佐之男命(すさのおのみこと)の乱行を恐れて、天照大神(あまてらすおおみかみ)がこもった高天原(たかまがはら)の岩窟(いわや)の戸。天照大神がこの岩窟にこもるのは、日神、穀母神であるこの神が生命力を回復して再生するためといい、岩戸の前でさまざまな鎮魂(たまふり)の儀式が行われる。飛鳥浄御原宮(あすかきよみはらのみや)にあった御窟殿(みむろのとの)(天武(てんむ)紀)は、天皇の鎮魂を行う神話上の天岩屋の遺象かという。天岩戸の神格化に天石門別神(あめのいわとわけのかみ)があり、奈良県高市郡高取町越智(おち)にこの神を祀(まつ)る天津石門別神社(式内社)がある。

吉井 巖]

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