太阿記(読み)たいあき

改訂新版 世界大百科事典 「太阿記」の意味・わかりやすい解説

太阿記 (たいあき)

江戸時代初期の禅僧沢庵の著。1巻。著作年代は寛永年間(1624-44)とする説もあるが不詳。〈太阿〉とは金鉄や玉石をも自由に切ることのできる名剣をいうが,〈名剣の刃に障るものなきと一般なるが故に,此の妙用の力を太阿の剣とは名づくるなり〉として,悟りを得たものの大きなはたらきをいう妙用(みようゆう)の意にたとえている。兵法・剣術に通達するとはいかなることかをテーマに禅を説き,真実の兵法は言葉で語り伝えたり,人から教えられて習うようなものではなく,まさに教外別伝の法であり,自悟自得せねばならぬ法であるという。剣術の必要を説くところから,《不動智神妙録》と同様に柳生宗矩のために執筆したものかと推測されているが,確証はない。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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