妙興寺廃寺(読み)みようこうじはいじ

日本歴史地名大系 「妙興寺廃寺」の解説

妙興寺廃寺
みようこうじはいじ

[現在地名]一宮市大和町妙興寺

日光につこう川と青木あおき川に挟まれた地域の自然堤防上、標高七・五メートルにある。妙興寺の開山堂裏手付近には、現在も布目瓦が散布し、前身寺院の存在を示す。寛政八年(一七九六)瓦礫舎主人(朴厳祖淳)編の「瓦礫舎古瓦譜」に、妙興寺出土の奈良時代前期(八世紀代)の単弁十弁蓮華文瓦が知られていたが、昭和一四年(一九三九)に、この瓦と、さらにもう一種、奈良時代後期の軒丸瓦が出土し、前身寺院の存在が明らかになった。

現妙興寺は貞和四年(一三四八)創建であるが、それ以前に真清田ますみだ社領としての妙興寺保に「妙興寺」なる寺の存在が推定されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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