嬉川原村
うれしがわらむら
[現在地名]大宇陀町大字嬉河原
半坂村東南、西山岳北麓の山村。漆ヶ原の義か。郡内には漆が多く野生する。「和名抄」には「漆部郷」があり、嘉元三年(一三〇五)の僧簾円水田処分状(沢氏古文書)には「ヌルベノ里下石田」とある。当郡内には「ウルシ谷」「ウルシガ野」「ウルシ迫」などウルシ関係の小字が約二〇ヵ所に分布する。文永四年(一二六七)の「春日社記録」中臣祐賢記、また室町時代と考えられる宇陀郡田地帳案(春日神社文書)にも「漆河原」とあり、中世春日社領漆河原庄所在地と考えられる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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