コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

山村 さんそんmountain village

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

山村
さんそん
mountain village

山地に発達している集落。生活は林業と自給的な農業に依存するものが多く,「林業」とか「林村」とも呼ぶ。居住地山腹の斜面や山と山との間の河谷に沿って点在し,集落の規模も小さい。耕地大部分は畑や谷津田で,しかも急傾斜面を階段耕作によって利用しているところが多い。一般に他地域と隔絶され,年中行事や風習などに古い姿を残している。庄川上流の富山県五箇山 (ごかやま) 郷や岐阜県の白川郷などは典型。しかし,第2次世界大戦後の電源開発に伴うダムの建設や林道開発によって大きく変貌したところが多い。また高度成長によって過疎の傾向が強く,農民が離村して荒廃した集落も少くない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

山村【さんそん】

平野村に対して山地村落をいう。生活に対する地形や自然の制約が大きい。おもな生産様式として用材生産,製炭,木工,狩猟などの山林資源の利用と,山腹斜面での耕作,高冷地農業,焼畑などの農業とが複合されて行われる。
→関連項目農村

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

さんそん【山村】

山間の村。山中の村。

やまむら【山村】

姓氏の一。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

山村
さんそん

山地にある、林業に依存することの多い村落。立地条件と生業の種類から、他の類型の村落と区別されるのであるが、いずれも相対的な基準であるため、一義的な規定はできない。そこで、農林統計においては、(1)市町村単位に経済地帯の区分を行い、耕地率10%以下、林野率80%以上、林業兼業農家率10%以上の地域を山村とする、(2)旧市町村単位に、林野率80%以上の地域を山地村とする、(3)集落単位に、総戸数に対する林家率70%以上の集落を山村集落とする、などの規定が行われてきた。また、山村振興法(昭和40年法律64号)では、旧市町村を単位に、林野率、人口密度を基準に山村の定義を行い、「林野面積の占める比率が高く、交通条件および経済的・文化的諸条件に恵まれず、産業の開発の程度が低く、かつ、住民の生活文化水準が劣っている山間地その他の地域」を、山村振興対策を講ずる対象地域(振興山村)として指定している。
 山村を一般的な村落社会から区別するものは、土地利用のうえで山林が多く、産業のうえで林業に依存するということにあるだけに、林業の特質によって山村の特徴も形成され、またその類型も生み出される。すなわち、国有林と公有林・私有林との比率などの山林の所有形態の差によって、また、人工造林の進展程度に示される林業生産の発展の差によって、さらには林業経営や林業労働の形態の異なるのに応じて、山村にはさまざまな類型がみられる。さらに、林業生産の消長は山村の盛衰そのものを規定することにもなる。もちろん、林業に依存するといっても、山村住民は林業にだけ従事しているわけではなく、農業をはじめ、山地の条件を生かした生産やその他の賃労働などに従事している。しかし、山村の農業は、標高の高い傾斜地にあることから、寒冷な気候に適した作物に限られ、畑作の比重が高く、耕地面積も狭くならざるをえない。したがって林業生産が停滞した場合、山村住民の所得の向上には困難が多くなる。
 山村の置かれている立地条件から、山村集落は規模も小さく、散在・散居形態のものが多い。都市から離れて各種の社会的施設の利用の便益に乏しいうえに、疎散性が強いことから、医療機関の利用をはじめとして、生活環境条件の整備には困難が多い。そこで、山村の生活条件の改善を目ざして、山村振興法が制定され、山村住民の生産・生活に関連する各種の基盤整備などを進める施策が行われてきた。しかし、山村地域では、経済成長が進むにつれ、人口流出が進み、山村の多くが過疎化し、あるいは激しい人口の高齢化を生じるに至っている。わが国の地形的な特質から、山林は、国土の保全や水源の涵養(かんよう)に大きな役割を果たしており、山村はそのような山林の維持にとって軽視することのできない存在である。その意味で、山村の多くが過疎化しつつある現状は、きわめて重大な問題といわなければならない。[蓮見音彦]

地理的特色

山村は、標高が高く、河谷斜面が急で、耕地の土壌は浅く、気温が急低下し、雪や雨が多くて、耕種農業が制約される。農業は経営規模が零細で生産性が低く、自給を主とし、養蚕や畜類飼育、植林(木材生産)をあわせて、経済の安定・発展を図っている。また、自然風景に優れ、古来、山岳信仰の対象とされ、温泉の湧出(ゆうしゅつ)や古い民家や民謡・伝統的遺習が残存していて、観光地として注目を集めている所もある。しかし、山村は交通条件に劣り、労働力や生産物の市場化に恵まれないので、都市地域への人口流出が少なくなく、過疎化に悩む山村が多い。その防止対策の研究が平地村に比べてより盛んなのも山村の特色といえよう。[浅香幸雄]
『山村振興調査会編『日本の山村問題』(1967、69・東京大学出版会) ▽山村振興調査会編『山村の変貌と開発』(1971・古今書院) ▽三井田圭右著『山村の人口維持機能』(1979・大明堂)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山村の関連キーワード高知お見合いツアー殺人事件山村 舞扇斎(2代目)山村 友五郎(2代目)死体はクーラーが好きシンデレラの殺人銘柄山村流九郎右衛門町家愛の飛鳥路殺人事件山村 若(2代目)山村長太夫(2代)夜の都大路殺人事件卒都婆小町が死んだ平家伝説殺人ツアー坂東国五郎(3代)山村友五郎(3代)山村友五郎(2代)愛の摩周湖殺人事件山村長太夫(5代)愛のキャンセル待ち伊勢志摩殺人事件エジプト女王の棺

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

山村の関連情報