子宮腟部糜爛(読み)しきゅうちつぶびらん(その他表記)erosio portionis

改訂新版 世界大百科事典 「子宮腟部糜爛」の意味・わかりやすい解説

子宮腟部糜爛 (しきゅうちつぶびらん)
erosio portionis

子宮頸管の外翻により頸管粘膜の一部が腟腔に露出した状態をいう。腟部が外子宮口を中心にして肉眼的に発赤して見えるので,この名がある。女性ホルモン作用によって生じる生理的な変化であり,成熟期女性の大多数にみられる。しかし,この部位子宮頸癌が好発し,性交時性器出血など症状も子宮頸癌と類似しているので,とくに初期悪性病変が共存していないことを確認することが重要で,そのうえで必要があれば本症の治療が行われる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の子宮腟部糜爛の言及

【子宮】より

…原因菌は淋菌,ブドウ球菌,大腸菌などで,人工および自然流産,分娩時の頸管損傷などが誘因となる。子宮頸部に起こりがちな良性疾患として,子宮腟部糜爛(びらん)と子宮頸管粘膜ポリープがある。前者は重層扁平上皮で覆われるべきところが円柱上皮で覆われ,粘膜下の血管網が透見されて鮮紅色にみえるために糜爛と呼ばれているが,実際は偽糜爛である。…

※「子宮腟部糜爛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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