( 1 )「治療」と「療治」はともに古くから用いられてきたが、近世中期後半頃から「治療」が多用されるようになる。これは中国近世に「傷寒論」など医学書に「治療」が多用されていることと関連している。
( 2 )杉田玄白「蘭東事始‐上」や渡辺崋山「外国事情書」に「療治」が使われており、儒医が好んで「治療」を用いたのに対し、西洋医学を学んだ人は「療治」を用いる傾向が指摘できる。「和蘭字彙」は対訳に「療治」をあてており、「治療」は見られない。
( 3 )「和英語林集成(初版)」には挙例のほか「Riyōji レウヂ 療治」の形でも出ているが、「ヂレウ」は文章語とされている。
( 4 )呉音読みのヂリャウが古くから行なわれていたが、明治期には漢音読みのチリャウが優勢になる。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…病気という名前で呼ばれる個人的状態に対し,それを回復させるか,あるいは悪化を阻止しようとしてとられる行為をいう。その内容は,病気を診断し治療することであるが,実施にあたるのは近代的社会では法律的にその資格を独占的に与えられている医師が中心になるところから,医師の行う行為一般に拡大されることもある。たとえば,美容上の目的をもって行われる手術,避妊処置,人工妊娠中絶,人工受精,体外受精,性転換手術や性ホルモン注射療法などは,病気の回復を目的とはしないが,それらを実施するのに最も安全で確実な技術を提供できると期待されるし,また施設・器材も病気の医療のためのものと共用できることなどから,医師にそれらの行為を限定し,医療の定義のなかに入れられる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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