最新 地学事典 「宇奈月結晶片岩」の解説
うなづきけっしょうへんがん
宇奈月結晶片岩
Unazuki crystalline schist
飛驒変成帯の一部をなす中圧型の宇奈月変成帯を構成する変成岩。黒部川下流宇奈月地方に分布し,狭義の飛驒変成帯とはエボシ山衝上断層で接する。原岩は石炭紀後期のコケムシや有孔虫を含む石灰岩,レプタイトとして知られる珪長質火山噴出岩,泥岩,砂岩・苦鉄質岩など陸棚型の堆積物。十字石・らん晶石片岩は1949~56年にかけて石岡孝吉ほかが報告したが,Y.Hiroi(1983)がAlとFeに富む泥質岩の中圧型の変成作用で生成したことを示した。変成分帯は,1帯:クロリトイド+石英,2帯:十字石+緑泥石+白雲母+石英,3帯:らん晶石+黒雲母,4帯:珪線石+黒雲母。各帯の変成岩はそれぞれ異なった時計回りのP-T-t経路を経ている。変成年代は240Maころで,中圧型なので中朝プレートと揚子プレートの衝突型変成作用に対比。180Maころの花崗岩の貫入による接触変成作用により紅柱石やインド石が生成。参考文献:Y.Hiroi(1983) Contr.Min.Petr., Vol.82
執筆者:諏訪 兼位・椚座 圭太郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

