翻訳|mudstone
砕屑(さいせつ)粒子のなかで細粒のものはシルトと粘土であるが、これらの混合物は一般に泥とよばれ、それの固結した岩石。シルト岩、粘土岩、頁岩(けつがん)などの細粒砕屑岩の総称としても用いられる。層理面に平行な葉理が発達している頁岩と区別して、均質で塊状の細粒砕屑岩をさす場合もある。粘土鉱物を主体とするが、微細な石英や長石などの砕屑粒子を含み、海水から化学的に沈殿した、あるいは続成作用の過程でできた炭酸塩鉱物やシリカ(二酸化ケイ素)鉱物を含むこともある。また、火山灰、浮遊性の珪藻・放散虫・有孔虫のような生物遺骸(いがい)、有機性炭素などがいろいろな割合で混在するため、珪質、石灰質、有機質といった中間的な性質のものがある。高温多湿の条件下で風化作用が著しく進行した場合、多くの成分が溶解し、鉄とアルミニウムの酸化・水酸化物が残ってできる泥質岩があり、それはラテライトとよばれている。泥岩は一般に野外用語として使われ、構成物質の内容がわかった場合には、凝灰質シルト岩とか珪藻質泥岩のようにさらに細かく分類される。これと石灰岩との中間的な性質のものは、泥灰岩(マール)とよばれている。
[斎藤靖二]
泥が固結してできた岩石で,砂岩より細粒の堆積岩の総称。堆積岩のうちではもっとも多い岩石である。泥とは粒径が1/16mmより細かい砕屑物をいい,それらが大部分を占める岩石が泥岩である。泥岩はさらに粒径1/256mm以上の大きさのシルト,それ以下の大きさの粘土の成分の多少によりシルト岩,粘土岩に区分される。ただし肉眼的に両者を識別することは困難である。砂をやや多く含むシルト岩は砂質シルト岩,シルトをやや多く含む粘土岩はシルト質粘土岩という。野外での呼称では極細粒砂岩やシルト質砂岩は泥岩に含められていることが多い。ラミナ(葉理)の発達した泥岩で,続成過程でその面あるいはそれにほぼ平行して剝離性が発達するようになったものはケツ岩として泥岩から区別することがある。変成作用を受けてこれとは無関係(一致することもある)な剝離性が発達したものは粘板岩(スレート)という。泥岩は細粒の組織と複雑な組成からなるので,堆積岩のうちではもっとも普遍的なものであるが,あまり研究がなされていない。通常の偏光顕微鏡による観察では組織や組成の識別は困難である。しかし,最近では走査型電子顕微鏡,示差熱分析などの方法を用いた研究が進められるようになってきている。
執筆者:徳岡 隆夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
mudstone
シルトおよび粘土の大きさの粒子から構成される堆積岩。シルトを主とするものをシルト岩,粘土を主とするものを粘土岩と区分する場合がある。シルト粒子は石英や長石などの砕屑粒子が多く,粘土粒子は粘土鉱物である場合が多い。一般に剥離性に乏しくブロック状に破断する。剥離性を示す場合は頁岩と呼んで区別するが,混用されている場合も多い。泥岩は含有物質の種類と量によって,珪質泥(頁)岩・石灰質泥(頁)岩・有機質泥(頁)岩・凝灰質泥(頁)岩・砂質泥(頁)岩などと区分される。泥質岩(mudrock)はシルトや粘土を多く含む堆積岩に対する全般的な用語。アージライト(argillite)は泥質岩とほぼ同じ意味であるが,ブロック状に割れるものについて使用されることがある。泥質岩は堆積岩のなかで最も卓越し,全堆積岩の40~60%を占める。
執筆者:木村 晴彦・武蔵野 実・吉田 孝紀
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
泥土が圧縮脱水により固化した岩石.しばしば収縮による節理がみられる.泥岩には石灰質,砂質のものを含むことがあり,広義には泥質岩(argillaceous rock)とよばれる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…薄くはげやすい性質をもった泥質岩で,泥板岩ともいう。1/16mm以下の砕屑物質を主とする岩石を泥岩と呼ぶが,泥岩のうちで,本のページを重ねたようにみえ,剝離性を有するものをケツ岩と呼ぶ。さらに剝離性が発達すると粘板岩(スレート)と呼ばれる。…
※「泥岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)1 人から受けた礼・贈り物に対して行為や品物で報いること。また、その行為や品物。「地酒を贈って返礼する」2 仕返しをすること。また、その仕返し。意趣返し。返報。[補説]書名別項。→返礼[...