安倍貞行(読み)あべのさだゆき

朝日日本歴史人物事典 「安倍貞行」の解説

安倍貞行

生年生没年不詳
平安前期の官人。大納言安仁の子。刑部大輔,摂津守などを経て貞観7(865)年上野介となり,在任中,百姓を動員して国内の田447町(443ha)を開墾し,功績をあげた。さらに同14年陸奥守となり,財源減少の折から蝦夷に対する叙位を年間20人以下に抑えること,官物収納に当たり欠損があれば先ず国司俸禄を没収してこれを補填することなどを提案している。こうした政治的手腕識見能吏と称された父親譲りのものであった。元慶4(880)年大宰大弐として赴任,同7年,群盗100人により筑後国守が射殺された際にも中央から役人の派遣を要請し,管内の事件を迅速に処理している。その業績から清和・陽成両天皇の信任を得,御衣を賜っている。

(瀧浪貞子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「安倍貞行」の解説

安倍貞行 あべの-さだゆき

?-? 平安時代前期の官吏
安倍安仁(やすひと)の子。検非違使(けびいし),大和守,摂津守,上野介(こうずけのすけ),陸奥守(むつのかみ)などをへて,元慶(がんぎょう)4年(880)大宰大弐(だざいのだいに)となる。上野介在任中の新田開発や大宰大弐在任中の治安維持で知られる。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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