日本歴史地名大系 「宕野郷」の解説 宕野郷たきのごう 三重県:伊勢国壱志郡宕野郷「和名抄」高山寺本は「太岐乃」、東急本は「多木乃」の訓を付す。郷域は「五鈴遺響」は現嬉野(うれしの)町滝之川(たきのがわ)に、「布留屋草紙」は雲出(くもず)川流域の現一志町其倉(そのくら)・石橋(いしばし)以西の白山(はくさん)町域に、「大日本地名辞書」は現美杉(みすぎ)村上多気(かみたげ)・下多気周辺に比定する。また「一志郡史」は飯高(いいたか)郡郷名の誤りとして飯高郡滝野(たきの)(現飯南郡飯高町)周辺に比定するなど諸説あるが、いずれも確証を欠く。「白山町文化誌」は、天暦二年(九四八)八月の家城山田野村百姓寄進状(「家城村郷土史」所引高野山金剛峯寺資料)に「伊勢国壱志郡宕野郷」とみえることや、嘉応元年(一一六九)一二月の某禁制(同郷土史所引伊賀上野鈴木氏文書)に「壱志郡宕野郷雲津川西側庄寺領事」とみえることを引き、現白山町川口(かわぐち)・北家城(きたいえき)・南家城、現美杉村竹原(たけはら)の地域を郷域とする。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by