朝日日本歴史人物事典 「家原善宗」の解説
家原善宗
平安初期の医師。はじめ連姓,斉衡2(855)年8月,一族と共に宿禰を,貞観14(872)年8月,同様に朝臣を賜った。この間,右近衛医師,次いで清和天皇の侍医を務め,貞観8年1月従五位下に昇叙されている。家原氏は河内国大県郡家原邑(柏原市)を本拠とする渡来系氏族であるが,貞観14年の改賜姓の際,先祖について,後漢光武帝ではなく宣化天皇の第2皇子であると訂正方を申し入れており,この時期における渡来系氏族の動向の一端を示している。
(村井康彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報