富士嶺の(読み)ふじのねの

精選版 日本国語大辞典 「富士嶺の」の意味・読み・例文・類語

ふじのね‐の【富士嶺の】

① 当時富士山が常に噴煙をあげていたところから、「燃ゆ」にかかる。
古今(905‐914)恋四・六八〇「君といへば見まれ見ずまれふじのねのめづらしげなく燃ゆる我恋〈藤原忠行〉」
② 「富士山の火」の意から、「火」と同音を含む「思ひ」、特に「絶えぬ思ひ」や「ならぬ思ひ」などにかかる。
※古今(905‐914)雑体・一〇二八「ふじのねのならぬ思ひに燃えば燃え神だにけたぬむなし煙を〈紀乳母〉」
[補注]序詞の末に用いたり、比喩の句として用いたりすることも多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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