雑体(読み)ザッテイ

デジタル大辞泉 「雑体」の意味・読み・例文・類語

ざっ‐てい【雑体】

勅撰和歌集などの部立ての一。長歌旋頭歌せどうか俳諧歌などの総称。ざったい。

ざっ‐たい【雑体】

雑言体ざつごんたい」の略。
ざってい(雑体)

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精選版 日本国語大辞典 「雑体」の意味・読み・例文・類語

ざっ‐てい【雑体】

〘名〙
① 「古今和歌集」巻一九の部立に入る歌体の総称。長歌と旋頭歌(せどうか)、および俳諧歌を内容とする。
古今(905‐914)「雑体」
謡曲蟻通(1430頃)「雑体ひとつにあらざれば」
連歌で、俳諧・聯句・雑句・片句の四句体をさす語。
菟玖波集(1356)雑体「雑体連歌」
※俳諧・三冊子(1702)白双紙「いにしへの俳諧歌、雑体あまたなれども」

ざっ‐たい【雑体】

〘名〙
② 種々の書体を混和したもの。〔法書要録‐巻三・唐李嗣真書品後〕

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普及版 字通 「雑体」の読み・字形・画数・意味

【雑体】ざつたい

変体詩。

字通「雑」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の雑体の言及

【書体】より

…劉宋の王愔(おういん)《古今文字志目》は古書体36種として,古文篆,大篆,小篆,隷書,象形篆,科斗,殳書,繆書,鳥書,尚方大篆,鳳書,魚書,竜書,麒麟書,亀書,蛇書,仙人書,雲書,芝英書,金錯書,十二時書,懸針書,垂露書,倒薤書,偃波書,蚊脚書,草書,行書,楷書,藁書,塡書,飛白書などをあげている。このうち大篆,小篆,隷書,草書,行書,楷書,藁書などは小篆系の現在も通行の書体であり,他のものは篆隷を自然に存在するものに寓して意匠化した特殊書体で雑体と呼ばれる。この雑体は,梁の蕭子良《篆隷文体》にはさらに7種多い43種を数えるにいたる。…

※「雑体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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