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比喩 ひゆ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

比喩
ひゆ

譬喩とも書く。文学的な表現において,心象 imageを利用して,説明,記述をわかりやすくし,強調や誇張の効果をあげるために,類似した例や形容で表現すること。直喩 simile隠喩 metaphor換喩 metonymy提喩 synecdoche奇想 conceitなどに分けられる。

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デジタル大辞泉の解説

ひ‐ゆ【比喩/×譬喩】

ある物事を、類似または関係する他の物事を借りて表現すること。たとえ。

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百科事典マイペディアの解説

比喩【ひゆ】

〈譬喩〉とも書き,単に〈喩〉ともいう。なぞらえ,見立て,喩えを用いる言語表現の総称で,西洋レトリック用語の〈転義trope〉ないし〈転形scheme〉にほぼ相当する。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひゆ【比喩】

あるものごとを別のものごとに見立て,なぞらえる表現。〈比喩〉という用語は,同音語〈譬喩〉や,あるいはたんに〈喩〉という語と同義にもちいられるばあいが多い。
[レトリックとの関係]
 ヨーロッパの伝統レトリックにおいては,言語表現の技術をあつかう(狭義の)修辞部門のなかに,おびただしい種類の〈ことばのあやfigure of speech〉が分類されていた。〈あや〉とは,平常の表現とは異なって目立つ表現形式のことであり,たとえば,文型のあやとしての語句挿入,省略,転置,反復など,思考のあやとしての緩叙,対比,擬人など,100を越える型が技法として説明されていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

比喩
ひゆ

いいたい事柄を何かに例えることによって、効果を期待する表現方法。たとえば、「花咲き匂(にお)うような人生」(堀辰雄(たつお)『風立ちぬ』)というような表現である。
 比喩は、(1)例える事柄と(2)例えられる事柄と(3)例える行為との三者から成り立つ。これら三者が、どの程度ことばとして示されるかによって、直喩・隠喩・諷喩(ふうゆ)の3種に区別できる。
 直喩は、「(1)星ばかり映して居る深山の湖(3)のような(2)」(岡本かの子『春』)にみるように、(1)(2)(3)の三者がすべて言語化している場合である。(3)の例える行為は、「のような」という、たとえであることを示すことばとなって言語化されている。このように、たとえであることが、ことばによって明らかに示されているので、明喩(めいゆ)ともいう。もっともわかりやすい比喩である。
 隠喩は、「(2)彼女の眼は、(1)夕闇の波間に浮ぶ、妖しく美しい夜光虫だった。」(川端康成(やすなり)『雪国』)にみるように、(1)(2)だけが言語化され、(3)のたとえであることを示す語句が隠されてしまう場合である。暗喩ともいう。(3)が言語化されないので、(1)たとえと(2)例えられるものとが直結し、写真の二重写しのような重層効果をあげる。
 諷喩は、「(1)井の中の蛙(かわず)大海を知らず」のごとく、(1)の例える事柄しか言語化されない場合である。(2)の例えられている事柄が、裏面に隠されているので、教訓や風刺に用いると、相手の耳に入りやすくなり、効果的である。寓喩(ぐうゆ)ともいう。『イソップ物語』などの作品は、人間の世界を動物の世界にそっくり置き換え、真にいいたいことを隠し、さらに、たとえであることもまったく示さないので、長大な諷喩である。
 比喩は、古今東西を問わず、また韻文・散文の違いや文学ジャンルの違いなどにかかわりなく、広く一般的に用いられる表現方法である。比喩を用いると、表現したい事柄を、具体的なイメージを伴って、生き生きと描き出すことができる。[山口仲美]

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