古今(読み)コキン

デジタル大辞泉 「古今」の意味・読み・例文・類語

こ‐きん【古今】


昔と今。ここん。
古今雛こきんびな」の略。
古今和歌集」の略。

こ‐こん【古今】

昔と今。「古今を問わない」
昔から今日に至るまで。「古今を通じて最高の傑作
昔から今に至るまで並ぶもののないこと。また、その人。「古今名筆
[類語]今昔

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精選版 日本国語大辞典 「古今」の意味・読み・例文・類語

こ‐こん【古今】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こん」は「今」の呉音 )
  2. 昔と今。古いか新しいか。こきん
    1. [初出の実例]「年月はあらたあらたにあひ見れどあが思(も)ふ君は飽きだらぬかも 古今未詳」(出典万葉集(8C後)二〇・四二九九)
    2. 「古今をへだつる物はわが心の中懐なり」(出典:類従本海道記(1223頃)菊川より手越)
  3. 昔から今までの間。昔から今に至るまでの歴史。
    1. [初出の実例]「明鑑古今、有国恒典」(出典:家伝(760頃)上)
    2. 「古今にもきかず、和漢にも例なし」(出典:神皇正統記(1339‐43)下)
    3. 「こころは空に成て三所の二階を詠暮して、古今(ココン)稀成(まれなる)なぐさみ是成べしと」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)七)
    4. [その他の文献]〔史記‐呂不韋伝〕
  4. ( 形動 ) 今も昔もならぶものがないこと。また、その人。古今無双
    1. [初出の実例]「黄檗は超越古今の古仏なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)仏経)
    2. 「古今(ココン)女方と申してもくるしかるまじ」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)七)

古今の補助注記

「古今」は漢音「コキン」呉音「ココン」の二種のよみがあるが、「コキン」は「古今和歌集」の略称として用いられることが多く、普通名詞として「昔と今」を指すには「ココン」が用いられてきた。


こ‐きん【古今】

  1. ( 「きん」は「今」の漢音 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 昔と今。ここん。
      1. [初出の実例]「古今(こきん)妙文の詠をのべん」(出典:叢書本謡曲・伏見(1558頃))
    2. こきんびな(古今雛)」の略。
      1. [初出の実例]「祖母次郎左母突っ張に嫁古京(コキン)」(出典:雑俳・柳多留‐一五四(1838‐40))
  3. [ 2 ]こきんわかしゅう(古今和歌集)」の略。
    1. [初出の実例]「集は、古万葉、古今」(出典:枕草子(10C終)六八)

いにしえ‐いまいにしへ‥【古今】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 昔と今。ここん。
    1. [初出の実例]「いにしへいまの御物がたり、いとよわげにきこえさせ給て」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  2. [ 2 ]古今和歌集」のこと。

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普及版 字通 「古今」の読み・字形・画数・意味

【古今】ここん・こきん

昔と今。また、昔から今に至るまで。〔史記儒林、公孫弘伝〕臣んで詔書律令の下るを案ずるに、天人際をらかにし、古今の義にじ、(じが)、訓辭深厚、恩施甚だ美なり。

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