改訂新版 世界大百科事典 「小国民」の意味・わかりやすい解説
小国民 (しょうこくみん)
1889年に高橋省三の学齢館から創刊された少年雑誌。初めは月刊,1周年号から月2回刊。それ以前に創刊された《少年園》(1888-95,山県悌三郎主幹),《日本之少年》(1889-94,博文館発行),その後に創刊された《少年文武》(1890-92,中川霞城編集発行)などとともに,明治20年代の有力な少年雑誌である。修身,歴史,文芸,娯楽などの平易な記事と挿絵で小学生の読者を獲得した。編集には石井研堂があたり,最盛期には1万5000部を発行したが,95年9月号で発行停止処分をうけ,廃刊した。その後,《少国民》と改題・復刊したが続かず,97年1月から編集・発行とも北隆館に移り,まったく別の内容の雑誌となった。
執筆者:山本 武利
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報