知恵蔵 「小塚崇彦」の解説
小塚崇彦
5歳から父の下でスケートを始め、小学生の頃から佐藤信夫・久美子夫妻の指導を受け始めた。2004~05シーズンの全日本選手権ショートプログラムで、当時、日本のエースだった本田武史を抑えて1位になり注目を浴び始めた。翌シーズンには、ISUジュニアグランプリファイナルを日本人男子として初制覇、全日本ジュニア選手権、世界ジュニア選手権でも優勝を果たした。
2006~07シーズンからシニアに。2008~09シーズンには、スケートアメリカのGP初優勝。2009~10シーズンの全日本選手権で3位に入り、バンクーバー・オリンピックの代表選手に選出された。そのバンクーバーでは8位入賞、このオリンピックで日本人男子では唯一、4回転ジャンプが認定された。2010~11シーズンでは、GP中国杯・フランス杯で優勝、全日本選手権で初優勝、そして、世界選手権で銀メダルを獲得。
現在、2011~12シーズンが始まっているが、11月11~13日に札幌で行われたISUグランプリシリーズNHK杯でさっそく銀メダルを獲得している。
中京大学附属中京高等学校を卒業後、2007年4月からトヨタ自動車に所属しながら中京大学体育学部に入学、11年4月から中京大学大学院体育学研究科体育学専攻博士前期課程に進学している。
生まれながらの運動神経に恵まれ、無駄のない滑らかなスケーティング、正確な技術には定評がある。シャイな性格で表現力の向上に努力しているとされるが、主張しすぎない自然な演技にひかれるファンも多い様子。また、演技直後に率直な感想をもらすことでも有名で、つまずきかけたところがあると「あぶねー」などの言葉が口をついて出、素直な性格をうかがわせている。
(菘(すずな)あつこ フリーランス・ライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報