APEC(読み)エーペック(その他表記)APEC

翻訳|APEC

デジタル大辞泉 「APEC」の意味・読み・例文・類語

エーペック【APEC】[Asia-Pacific Economic Cooperation]

Asia-Pacific Economic Cooperation》アジア太平洋地域の持続可能な発展を目的とする地域協力の枠組みフォーラム)。協力地域の自由貿易拡大、経済・技術協力、人材開発などを推進。1989年の設立時には、日本・アメリカカナダオーストラリアニュージーランド・韓国・タイ・インドネシアマレーシアフィリピンシンガポールブルネイが参加。参加国・地域はメンバーエコノミーと称される。アジア太平洋経済協力アジア太平洋経済協力会議
[補説]APEC、ASEAN東南アジア諸国連合)、EAS東アジアサミット)の参加国・地域一覧(数字は加盟年)
国・地域APECASEANEAS
インドネシア198919672005
シンガポール198919672005
タイ198919672005
フィリピン198919672005
マレーシア198919672005
ブルネイ198919842005
アメリカ合衆国19892011
オーストラリア19892005
カナダ1989
ニュージーランド19892005
韓国19892005
日本19892005
香港1991
台湾1991
中国19912005
パプアニューギニア1993
メキシコ1993
チリ1994
ベトナム199819952005
ペルー1998
ロシア19982011
ミャンマー19972005
ラオス19972005
カンボジア19992005
インド2005

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共同通信ニュース用語解説 「APEC」の解説

APEC

アジア太平洋経済協力会議(APEC) 日本や米国、中国など太平洋を囲む21の国・地域が参加する経済協力の枠組み。持続可能な成長に向け、貿易・投資の自由化や円滑化、経済協力などを話し合う。取り組みは自主的で、拘束力はない。加盟国・地域の国内総生産(GDP)の合計は世界全体の約6割、貿易量は約5割を占める。(リマ共同)

更新日:

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精選版 日本国語大辞典 「APEC」の意味・読み・例文・類語

エーペック【APEC】

  1. ( Asia-Pacific Economic Cooperation の略 ) アジア太平洋経済協力。アジア太平洋経済協力会議とも。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「APEC」の意味・わかりやすい解説

APEC
えーぺっく

アジア太平洋経済協力Asia-Pacific Economic Cooperationの略称。アジア太平洋経済協力会議ともいう。アジア太平洋地域は、貿易・投資・技術移転などを通じて相互依存を深め、高い経済成長を続けてきたが、他方では、アメリカ市場への過度の依存や、経済発展のための基盤が弱いといった問題を抱えている。このような問題を解決して地域の持続的な経済発展を図るという目的のもとに、相互の協力の場として発足したのがAPECである。

 当初の参加国は、日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国(大韓民国)、当時のASEAN(アセアン)(東南アジア諸国連合)6か国(タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ブルネイ)の計12か国、第1回の閣僚会議は、1989年オーストラリアのキャンベラで開催された。その後91年に、中国、台湾、香港(ホンコン)が参加、さらに93年11月のシアトル首脳会議でメキシコとパプア・ニューギニアが加盟、94年にチリが加盟、98年にロシア、ペルー、ベトナムが加盟した。

 APECの理念は、アジア太平洋地域において「開かれた地域協力open regionalism」を推進し、多様性に配慮しながら、各国の経済成長を持続させることであり、その実現を目ざして多角的な自由貿易体制を強化していくこととされている。この理念のもとに、貿易、投資、技術移転、人材開発など分野別の協力プロジェクトが選定されている。94年の閣僚会議では、先進国については2010年までに、途上国については2020年までに貿易・投資の自由化を目ざすというボゴール宣言が採択され、95年の大阪会議では、それを具体化する行動指針が採択されるなど、その活動は本格化している。なお、APECでは加盟した国や地域をメンバー・エコノミーMember Economiesと称する。

[志田 明]

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知恵蔵 「APEC」の解説

APEC

1989年の創設以来、アジア太平洋地域の経済発展のため、貿易・投資の自由化、円滑化、そして技術協力を三本柱として活動してきた会議。メンバーは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、日本、韓国、中国、台湾、香港、パプアニューギニア、オーストラリア、ニュージーランド、米国、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、ロシアである。94年11月、インドネシア・ボゴールでの宣言で、先進加盟国は2010年、途上国は2020年を期限とする貿易・投資の自由化を打ち出した。1995年11月のAPEC大阪会議ではボゴール宣言実施のための行動指針作りの検討が行われ、自由化の対象は関税、非関税措置、サービス、投資、通関手続き、基準認証など13分野にわたり、各国の自主性に委ねる個別行動計画のすり合わせに合意した。さらに96年11月のフィリピン・マニラ会議では「APECはビジネスだ」(ラモス大統領)を合言葉に、自由化に向けた民間との協力が強調され、インフラ整備などの連携が合意された。なお、06年のAPEC首脳会議は、11月にベトナム・ハノイで開催される。

(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「APEC」の意味・わかりやすい解説

APEC (エーペック)

アジア太平洋経済協力会議Asia Pacific Economic Cooperationの略称。1989年発足。アジア太平洋地域の貿易投資の自由化・円滑化,国際協力などを目ざしつつ,域外にも〈開かれた地域主義〉の推進を標榜している。当初参加国は,東南アジア諸国連合(ASEAN)の諸国,日本,アメリカ,カナダ,オーストラリア,ニュージーランド,韓国。その後中国,台湾,ロシア,メキシコなども加入し,2005年には21ヵ国・地域が参加している。事務局はシンガポール。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「APEC」の解説

APEC
エーペック

アジア太平洋経済協力会議(Asia-Pacific Economic Cooperation)の略称。ECなどによる世界経済のブロック化に対抗するため環太平洋諸国の閣僚が参加して1989年11月に発足,以後毎年開催。92年シンガポールに常設事務局設置を決定,93年からは首脳会議も開催され,域内の貿易・投資の自由化推進機関となっている。2014年現在21カ国・地域が加盟。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

会計用語キーワード辞典 「APEC」の解説

APEC

アジア太平洋経済協力。アジア太平洋地域の持続可能な発展を目的として、域内の主要国・地域が参加するフォーラムのことです。主な活動としては、域内の貿易投資の自由化・円滑、経済・技術協力等があげられます。

出典 (株)シクミカ:運営「会計用語キーワード辞典」会計用語キーワード辞典について 情報

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