屡立つ(読み)シバタツ

デジタル大辞泉 「屡立つ」の意味・読み・例文・類語

しば‐た・つ【×屡立つ】

[動タ四]
音がしきりに聞こえる。
「堀江漕ぐ伊豆手の舟の梶つくめ音―・ちぬ水脈みを速みかも」〈・四四六〇〉
波などがしきりに起こり立つ。
島風に―・つ波のやちかへり恨みても猶たのまるる哉」〈金葉・恋上〉

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精選版 日本国語大辞典 「屡立つ」の意味・読み・例文・類語

しば‐た・つ【屡立】

  1. 〘 自動詞 タ行四段活用 〙
  2. 音などがしきりに起こる。
    1. [初出の実例]「堀江漕ぐ伊豆手の船の楫つくめ音之婆多知(シバタチ)ぬ水脈早みかも」(出典万葉集(8C後)二〇・四四六〇)
  3. 波などがしきりに起こり立つ。
    1. [初出の実例]「島風にしばたつ波の立かへり恨みても猶たのまるる哉〈藤原惟規〉」(出典:二度本金葉(1124‐25)恋上)

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