常滑古窯址(読み)とこなめこようし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「常滑古窯址」の意味・わかりやすい解説

常滑古窯址
とこなめこようし

知多半島中央部の愛知県常滑市,半田市を中心として,知多半島の丘陵地帯のほとんど全域にわたり分布する窯跡。総数は1万基に近く日本六古窯中最大の規模である。常滑古窯の製品は大型甕を代表とし,壺,羽釜,鉢,山茶碗,山皿さらに瓦や陶錘などがあり,関東・中部・近畿地方はもちろん東北地方,四国,九州からも発見されている。最古の資料は「天治2 (1125) 年」の銘のある四方仏石の下から発見された京都市今宮神社の三筋壺であるが,平安時代末期の古式のものから,鎌倉・室町時代の中世末まで続いている。古窯址は古い時期から甕を主とした大物の窯と,山茶碗,山皿のような小物の窯に分れており,それぞれ窯構造に特色をもっていた。常滑窯業は近世初期になって再び現在の窯業地である常滑市の北条,瀬木地区へ集結し,新しい生産体制で再開されている。

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