最新 地学事典 「平面歪み」の解説
へいめんひずみ
平面歪み
plane strain
二次元的な歪み状態。平面変形(plane deformation)とも。ある一つの方向に不定の長さをもつ柱状物体を考え,その長軸に直角な平行断面群をとった場合,すべての断面の歪み状態が同一であり,そのうえ,これらの断面は変形後も変形前と同様に平面として存在するような歪み。一般に三次元的な弾性変形は無限小変形の考えに基づき,次のような9個の量によって記述することができる。変形前にきわめて近い位置にあった2点をP(x, y, z),Q(x+dx, y+dy, z+dz),変形によるP点の変位の成分を(u, v, w)とし,直交座標x, y, zを用いて表すと,伸び歪み成分は,εxx=∂u/∂x, εyy=∂v/∂y, εzz=∂w/∂z, 剪断歪み成分は,γxy=∂v/∂x+∂u/∂y,γyz=∂w/∂y+∂v/∂z, γzx=∂u/∂z+∂w/∂xとなり,このほかに回転を示す量,ωx=1/2(∂w/∂y+∂v/∂z),ωy=1/2(∂u/∂z+∂w/∂x),ωz=1/2(∂v/∂x+∂u/∂y)を加えることにより,歪み状態が完全に記述される。この場合,w=0で,そのうえu, vがzに対して無関係であるとすると,∂u/∂z=∂v/∂z=∂w/∂x=∂w/∂y=0となり,変形による歪みはxy平面内の量,εxx=∂u/∂x, εyy=∂v/∂y, γxy=∂v/∂x+∂u/∂y, ωz=1/2(∂v/∂x+∂u/∂y)で完全に決定される。このような状態をxy面に関する平面歪み状態という。同様にv=0でu, wがyに対して無関係な場合,およびu=0で,v, wがxに対して無関係な場合には,それぞれ,xz面およびyz面に関する平面歪み状態という。地質学的な変形構造は,平面歪みとみなして解析されることが多い。
執筆者:植村 武・越谷 信
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

